作詞:玉川進
作曲、編曲:進藤政裕
いつか見た 秋の空に
あなたの姿が流れていく
もう街もすっかり落ち着いて
病院の空気も緩やかになった
あなたのいた場所に来たのも
何かの巡り合わせかも知れない
あなたを知る人も少なくなったけど
ベッドのシミは消えそうにない
時は構わず移ろい続け
秋の風がまた病室に
あなたのベッドにまた一人
新しい人が
ごめんね まだ側には
行けそうにない
もう僕は大丈夫
病院の中で走っているから
あなたのあの言葉のままに
他の人たちのために生きてる
時は構わず移ろい続け
冬の影がすぐそこまで
少しだけ早ければ
今も悔やまれる
ごめんね まだそこへは
行けそうにない
あなたのベッドにまた一人
新しい人が
ごめんね まだ側には
行けそうにない
03:45
1985/10/31完成
進藤政裕:ボーカル・バックボーカル・キーボード
玉川進:ベース
1985年(昭和60年)医学部6年の時に書いた詞。ベッドサイドチーチング(ポリクリ)期間の最中でした。
タイトルは亡くなった人への感謝を表しています。
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この歌詞を書いてから35年。たくさんの死に立ち会ってきました。親や親戚や、受け持ち患者や知らない人。自殺した人、殺された人。子供の死はいつも胸が痛みます。
医師である私の、自分の判断ミスで助からなかった命もあります。
その命を全部背負って仕事をしています。
60歳の今は目の前で死んでいく人に「ごめんね」とは言いません。あと何年かでまた会えるからです。
「少しだけ早ければ」とも思わなくなりました。その人の寿命は与えられたものだと思うようになりました
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